エゴン・シーレ展(2023.3.22)

文字数 548文字

 上野は桜花が一気に咲き急いで五分咲きを過ぎ、人で賑わっていました。平日なのに、こんなに混むんだなぁ、と感心しつつ、東京都美術館へ。黄金週間を思わせるような暖かさで、徒歩数分なのに汗が滲み、すっかりと心地良い季節になりました。

 さて、目的は花見ではなくエゴン・シーレ展です。

 期待していると、期待倒れになるのがお決まりですが、今回は期待を超えてくれました。
 シーレの自画像を画集で観ると「自我の危機」をテーマにしているということもあり「生と死」「儚さ」「危うさ」「陰影」を僕は感じるのですが、実物を観て感じたのは「生に対する思いの強さ」「孤高の強さ」といった印象でした。精神的にも肉体的にもギリギリのところで「生きる」覚悟を感じ、絶望ではなく希望を見た思いです。
 美術展には少なからず出掛けますが、美術史などに詳しくないので、好きか嫌いかという尺度でしか観ません(観る術しかありません)。もちろん、シーレは好きな画家なのですが、好きを超えて僕の心に突き刺さりました。好きを超えると凄いと思う(語彙が貧相ですが、ご容赦下さい)のですが、まさかこんなに凄いとは思ったことがなかったので、完全に期待を超えてくれた、という結論です。

 とても満たされた気持ちで、ぶらぶらと花見をしながら上野を後にしました。
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