話し下手のひとりごと(2023.9.28)

文字数 640文字

 緊張する人と緊張しない人がいる。僕は緊張する人だ。でも、意外と緊張していないように見えるらしい。以前は、上手に話そう、噛むことなく流暢に話そう、と思っていたから、話す前だけでなく、話している途中でも、ずっと緊張していた。でも、いつの時だったか、噛みまくって落ち込んでいたら、とてもいい話でした、と或る人から言われたことがあって、噛みまくっても伝わるんだな、と思ったのだ。もちろん、喋り方が上手いに越したことはないだろうし、内容なんて聞かずに「何回噛んだ」とカウントすることを生きがいにしている人もいるだろう。でも、噛もうが、言葉に詰まろうが、気にしないようになったら、随分と楽になった。緊張はしているが、噛まない、言葉に詰まらないという緊張がなくなり、失敗しても構わないと開き直るようになった。
 話しが上手いと言われたことはないが、感想を言ってくれたり、質問を受けると、とても嬉しい。なぜ話すのか? と聞かれれば、伝えるため、なのだから、聞き心地が良くても伝わらなければ意味がないのだ。僕よりも話しが下手な人は少ないだろうけれど、無理して上手くならなくても良いのではないかと思う。

 話しが上手い人からは「屁理屈」「負け犬の遠吠え」と言われるだろうが、それも間違いなく事実なので甘んじて受け入れる。ただ、みんなが話しが上手くてもつまらないでしょ、という「屁理屈」をこねて「遠吠え」する。本当は僕だって噛まずに話したいのだ。できる人にできない人の気持ちを伝えるのは至難の業だと思う。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み