『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文春文庫)(2024.1.26)
文字数 459文字
瀬尾さんの作品はデビュー作『卵の緒』、『幸福な食卓」を読んで以来だから随分と久しぶり。僕が瀬尾さんの二作を読んだ頃は、まだ中学校の先生をしながら二足の草鞋を履いて執筆されていたと思う。そして、『そして、バドンは渡された」は2019年の本屋大賞で映画化にもなった作品である。
もちろん、小説家としての技量は上がっているのだろうが、瀬尾まいこの小説だなぁと思えて、なんだか嬉しい。この人の視線はほんとうに温かい。とにかくホッとした。というのも、本作は様々な事情で親が変わっていく中での少女の成長物語という概要は知っていたので、どこか不幸の匂いがする、涙なしでは読めない作品なのだろう、と勝手に想像していたからだ。だけど、違った。瀬尾さんのポリシーなのだろうなぁ、小説を書く上での。ほんとうに温かい人ばかり。そして、運命を憎んだり、人を憎むことをしない。
優子が主役ではあるが、三人目の父親である森宮さんが素敵なズレ具合というか、素晴らしい父親なのだ。なんで今まで読まなかったのだろう……と後悔したけれど、読めて良かった。
もちろん、小説家としての技量は上がっているのだろうが、瀬尾まいこの小説だなぁと思えて、なんだか嬉しい。この人の視線はほんとうに温かい。とにかくホッとした。というのも、本作は様々な事情で親が変わっていく中での少女の成長物語という概要は知っていたので、どこか不幸の匂いがする、涙なしでは読めない作品なのだろう、と勝手に想像していたからだ。だけど、違った。瀬尾さんのポリシーなのだろうなぁ、小説を書く上での。ほんとうに温かい人ばかり。そして、運命を憎んだり、人を憎むことをしない。
優子が主役ではあるが、三人目の父親である森宮さんが素敵なズレ具合というか、素晴らしい父親なのだ。なんで今まで読まなかったのだろう……と後悔したけれど、読めて良かった。