出勤、徒歩帰宅(2023.11.5)

文字数 843文字

 いやだなぁ、と思いながらも日曜日出勤。さっさと終わらせたい、といつもの時間にカードを翳せば「解除してください」と機械音が喋る。どうやら、というか、当たり前だけれど、僕が今日の第一入館者とのこと。

 三連休で二日間は休めたので、いつもの休日出勤に比べると頭も手も動きがいい。思いのほか、仕事が捗り、13時に明日以降の目途がついたので会社を出ることにした。カードを翳すと「施錠して下さい」と機械音が喋る。どうやら、というか、やっぱりだけれど、僕だけが今日の入館者とのこと。

 会社は京都駅周辺でマンションは烏丸御池。天気も良いので、久しぶりにぶらぶらと歩いて帰ることにする。烏丸通の東本願寺は立ち寄る機会が多いが、堀川通の西本願寺はしばらく行っていないので、境内をうろうろして御影堂で手を合わす。大きな御堂だが、観光客が少なく、静かで落ち着く空間だ。細い通りを東へ向かいつつ北へ上がる、を適当に繰り返していると偶然にも茶そばで人気の蕎麦屋に辿り着き、入店する。14時なのにほぼ満席で、半分以上は外国人客で驚く。以前とは随分と客層が変わったようだ。季節のきのこ蕎麦を注文する。客層が変わっても茶そばも出汁も変わらず美味い。呑みが続いて胃が疲れていたのでグッドチョイスだと自画自賛。更に北へ向かって歩き、途中で食べログ百名店にも選ばれた喫茶店を見つけたので寄り道して、名物のプリンとブレンドコーヒーを注文し、詩集を読みながら独りの時間を過ごす。周りの会話も気になることなく、集中できるのは不思議だと喫茶店に行く度に思う。家なら静かななのだが、なぜか気が散ってしまうのだ。

 途中の書店で『安野光雅作品集』(東京美術)を買う。前から欲しいと思っていたのだが、なかなか決断できずにいたのに、今日は迷うことなくレジに向かった。ぶらぶら歩いて、好きなものを食べて飲んで、心が緩み、財布も緩んだらしい。

 普通に歩けば30分程度なのだが、寄り道しながら今日は2時間30分かけて帰宅した。こんな日もたまには良い。
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