『反応しない練習』草薙龍瞬(KADOKAWA)(2023.10.1)

文字数 907文字

 焦り、怒り、不安は常にある。絶望まではいかないけれど。じゃぁ、希望があるかと言えば希望もない。ただただ、ぐらぐらと心が揺れながら生きている。

 草薙龍瞬さんの『反応しない練習』を読んでいる最中も、良い話を読んで、よしこれで大丈夫、と思ったのに、直ぐに苛ついてしまった日もある。一冊読んで、変われるのならそんな素晴らしいことはない。結局、読んだけれど、まだ肚落ちしていないということなのだ。一回読んで、ブッダの考え方が分かるはずもない。そもそもブッダの考え方を理解しても、自身で実行できなければ単なる知識でしかないのだから。つまり『練習』しないと身に着かない。


 「まだまだ」はやめましょう。「自信が欲しい」とも考えないでください。わたしはわたしを肯定する。そして、今できることをやっていこう、と考えましょう。


 生きている以上、「まだまだ」と追い込み、成功を目指し、「自信が欲しい」と願うのは自然な心持ちだと思う。けれど、それが自身を苦しめていることも確かだと思う。どちらも当たり前だと思うけれど、そこに「欲」が存在するかどうかが大きな違いで、現実逃避ではなく、更に深いところで考えることが大事なのだ。「どうでもいい」とは言わないが、正しさという点では「どうでもいい」ことに分類される。とは言うものの、生きている以上は「どうでもいい」なんて言えない訳で、すべて捨ててしまえ、降りてしまえ、という意味ではなくて、捉われてはならないということなのでしょう。表面上の結果にだけスポットを当ててしまうと、勝ち続けなければならない強迫観念、負けた時の挫折感で生きていることが苦しくなる。目的が「欲」になればなるほど、生き難くなる。

 何回も読んで、実践して、自分のものにしない限り、僕は変われないと思う。一度読んで、はい分かりました、という本ではなく、繰り返し繰り返し読むべき本だ。今、僕は焦り、怒り、不安のストレス解消で詩作している。果たして、ストレスが解消されたら詩作できるのか、詩風が変わるのか、興味を持っている。もう少し深い、大きな詩が書けるようになるかもしれない。いずれにしても、人間として未熟すぎる点はどうにかしたい。
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