小林正和とその時代(2024.2.18)

文字数 522文字

 気になっていた京都国立近代美術館「小林正和とその時代~ファイバーアート、その向こうへ」に出掛けてきた。「繊維→糸→布」という変遷、あるいは「平面→立体→空間」という変遷。ファイバーアートと言っても、可能性はいくらでもあるという小林正和の挑戦を目の当たりにして、馴染みのないファイバーアートに興味を持った。

 やはり、素材や色、大きさや糸の張り具合、緩み具合は現物を観ないと分からないよなぁ、と実感している。写真で観ても十分には伝わらない。張るか、緩めるか、について、小林正和は無理をするのではなく、何かしらの強さや重さを利用して、糸の特性に任せている。そこには加工ではなく、糸の可能性を信じる芸術家の思いがある。

 普段、触れることのないアートに触れることは、僕の可能性も広げてくれる。

 なんでファイバーアートなんだろう? と思いながら、会場を訪れたのだけれど、小林正和がひとつの型が完成すると、次の型へと挑む作品群を観ると、やはり糸の可能性追求なんだろうなと思う。固定観念から脱せない芸術は芸術ではないのだ。

(追記)
 今日は京都マラソンだったので、近代美術館の周辺は大混雑だった。平安神宮がゴールなのだと知らなかった僕が悪いのだけれど(苦笑)。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み