風物詩~お盆~(2023.7.15)

文字数 421文字

八十歳を超えた
伯母たち三人が
今年も
昔話に花を咲かせます

毎年
今年が最後かもしれない
と言いながら
十年以上が経過しました

東京の
お盆は
一カ月早いのです

亡き両親
亡き弟夫婦
つまり
僕の祖父母と父母に
会いに来てくれます

いつも
同じ話を
繰り返すので
僕も
彼女達が娘だった頃に
生きていたような記憶が
刻まれてしまいました

どうして
昔のことは
これほど
鮮明に覚えて
いるのだろう?
と思いますが
年々
微妙に
話が変わる
ことに気づき
記憶も
作り変えられるのだ
と知りました

美しい話は
より美しく
酷い話は
より酷く

三人が
帰ると
一気に
静寂が
訪れる

いよいよ
夏本番

蝉も
鳴き始めました

すっかり
季節の
風物詩です

今年も
いつものように
今年が
最後かもしれない
と言っていましたが
更に一歩進んで
明日
生きているかどうか
も分からないけど
と言いながら
笑っていました

笑っていいのか
迷いましたが
とりあえず
僕も笑いました

あれは
正解
だったのかな?

明日から
異常な暑さに
なるそうです

伯母たちよりも
僕の方が
バテそうなので
気をつけないと
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