詩集『二の舞』上手宰(版木舎)(2023.7.10)

文字数 392文字

 詩集のタイトルに詩人の企みが込められています。僕らが想像する「二の舞」とは違う、「二」が舞う詩が並びます。「二界」「二層」「二架」「二頁」「二世」……。並べるだけなら、たぶん僕にもできそうですが、それぞれの「二」を舞わせることはできません。上手宰さんの詩人としての深さが、見事に「二」を舞わせています。
 上手さんは千葉大学文理学部哲学科を卒業されていますので、哲学的な思考なされる方なのだと思いますが、詩を書く時は、哲学的な思考を読者である我々に分かりやすい言葉で伝えようと心掛けられているのだと感じます。難しいことを専門用語を散りばめて難しく書くのではなく、難しいことを易しく書いてくれます。難しいこと、と書くと誤解されるかもしれませんので言い換えますが、大切なことです。大切なことをかみ砕いてかみ砕いて易しく読ませてくれます。

 僕が好きな詩は「二流」「二歳」そして「二秘」です。
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