東京ヴェルディ3-3鹿島アントラーズ(2024.5.12)

文字数 919文字

 サッカーは90分をどう戦うか、のスポーツであり、ひとつのプレー、あるいは一人の交代、そして1ゴールで流れが大きく変わることを改めて実感した。

 前半早々に0-2となり、リードされたヴェルディはアントラーズに良さを消されて、可能性を全く感じない展開だった。その中にあって、城福監督はFWとMFのポジションを何度も入れ替えながら、最適解を探しているようだった。ポジションを入れ替えることで、アントラーズが守り難くなればという意図もあったのだろうが、アントラーズの守備陣に動揺はなかった。

 ゲスト解説のラモス瑠偉さんも悲観的になる展開だったが、更に後半開始直後にCKからDF植田にヘディングシュートを決められ、万事休すと思われた。どうして、CKのターゲットである植田がフリーになっていたのか、理解に苦しむヴェルディのミスだったと思う。

 このままグリーンシートで終えようとアントラーズ守備陣は思っていたはずだが、途中出場の斎藤とアウベスが流れを変えた。アウベスのドリブル突破でアントラーズのバランスが崩れ始め、アウベスを止めに二人かかりとなるので、それまで孤立していた森田主将の周りで斎藤、見木が連動し始めたのだ。

 そして、後半24分に斎藤がゴールを決めると、パスがつながり始め、アントラーズが次第にヴェルディのパススピードに遅れを取るようになる。更に後半28分に途中投入された翁長の絶妙なFKがヴェルディのチャンスを広げるようになった。後半36分に木村、後半48分に見木がゴールネットを揺らし、終わってみれば3-3の同点。

 もちろん、最後まで諦めなかったヴェルディの選手たちの姿勢も素晴らしいが、常勝軍団だった頃のアントラーズであれば考えられないような結果だ。アントラーズが完全復活するまでは、しばらく時間がかかりそうだ。

 斎藤とアウベスを投入する前に、城福監督は審判に猛抗議してイエローカードを提示された。この時、ラモス瑠偉さんが「ベンチも一緒に戦っているというメッセージだと思います」と言っていたが、見事に選手を鼓舞して同点に追いついた采配は見事であったと思う。

 3点目が入ってテレビ観戦をやめようと思ったのだが、最後まで観戦して良かった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み