三輪山登拝(2024.5.6)

文字数 1,071文字

 妻の希望で三輪山登拝をしてきた。
 奈良県の三輪明神大神神社と言った方が親しみやすいかもしれない。

(大神神社HPより)
 大神神社のご神体「三輪山」は、太古の昔より神さまの鎮まる神聖なお山で、禁足の山として入山が厳しく制限されてきました。
 近代になり、熱心な信者の方々の要望もあり、特別に入山を許可することとなり現在に至っていますが、もちろん三輪山への登拝は「お参り」が主眼であり、観光や一般の登山・ハイキングとは異なることに十分留意し、敬虔な心で入山いただきます。
 尚、お山は標高に比して勾配もきつく、最近は体調不良を起こし消防署の出動を要請する事例も多くなっていますので、装備や体調管理には十分にご注意ください。また大祭日など入山が禁止されている日があり、加えて荒天時・その他の事情により入山を禁止する場合がございますので、神社にお問い合わせください。

 事前に登山ではなく登拝である意味を理解していた一方で、体力面では問題はないだろうと甘く見ていた僕らは、歩き始めてから後悔することになる。とにかく勾配がきついのだ(説明書きは読んでいたが、予想を超えていた)。そして。足元が滑りやすくて、道も狭い。下りてきた人とすれ違えない場所がいくつもあった。木陰の道を歩いているにも関わらず、途中から汗が止まらなくなる。だんだんと、自信がなくなり、まだ半分かぁとマイナス思考が強くなった。
 何度も諦めようかと思いながら、いつしか何も考えられなくなり、無心に歩を進めることに徹していたら、汗も落ち着き、山頂にたどり着くことができた。大きな感動ではなく、小さな感動で、ガッツポーズではなくて、三輪山へ頭を下げる心持ちになる。達成感というよりも充足感。登拝させて頂き、本当に良かったと思った。

 しかしながら、大変だったのは下りで、足首に古傷を持つ僕にとっては苦行だった。足首を庇うために、太腿や腰に負担がかかり、土や石が滑ることもあり、かなり神経を使った。

 個人的には、とても素晴らしい経験だったが、おすすめするかと言われると、体力に自信がなければ無理しない方が良いとしか言いようがない。実際、途中で引き返していた人もいた。無理して動けなくなったら、余計に大変な状況になるのだから、良い判断だったと思う。

 自分を見つめる、という意味で、往復2時間~3時間はとても大切な時間だ。登拝は人生のようだと感じた。ありがとうございました。

※お昼に神社近くで食べた三輪素麺がとても美味しくて驚いた。もともと、僕は素麺が苦手なのだが、素麺の実力を初めて知った気分になった。
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