映画「彼は秘密の女ともだち」(2024.8.3)

文字数 517文字

 フランソワ・オゾン監督「彼は秘密の女ともだち」はかなり衝撃的な作品だ。
 いやぁ、何が何やら…性と生と愛と。
 頭と心がごちゃごちゃになる。何が正しいとか、こうあるべきだという固定観念に囚われているオッサンには非常に刺激的なのだが、すべて取っ払って「何が残るのか」ということなのだろう。「何が残るのか」の残ったものが大事なもの。そして、「何が残るのか」は、みんな違う。みんな違って当たり前っていう話。と書くと、何とも陳腐な表現になるが、それを論理的、道義的に描くのではなく、一足飛びで軽々と超えていくところが、素直にすげぇと思う。理解しろ、感じろ、ではなくて、そういうことだからヨロシク、っていう感じで物語が展開され終わる。結局、どうなったのか? 分かったような分からないような、エンディングを観て、感想を述べ合ったら、けっこう意見は分かれるのではないかと思う。
 ストーリーを書こうと思ったら書けるが、ストーリーを超えて性と生と愛が入り乱れる。これは読んでも分からない。観ないと分からない。そう考えると、これは映画でなければ描けない。
 フランソワ・オゾン監督の頭の中はどうなっているのだろう? 実に興味深い、素晴らしい映画だと思う。 
 
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