第217話 落ちてよかった

文字数 1,422文字

 ふらふらになりながらだったけどこんぴらさんにもお参りできたしモヤ・ゲンム・ミコの三者会談で高野山への旅程を確認した

「『モヤもずっとわたしたちに付き合ってたら商売にならないだろうから早く高野山にお参りしよう』うんわたしもそう思うよ ねえ モヤ?」
「わたしは正直もう少しふたりと一緒にいたいんだけどな」

 なんて切ないことを言ってくれるんだろう

 ほんとのこと言うとわたしだってこのまま小学校にも進学せずにずっとこの3人で旅を続けられたらいいなって思う

 けれどもそれはシャムの本意じゃない

「あのさ シャムがこんなこと言ってるんだよね ‘落ちてよかった’って『なんだそれ』うーん 負け惜しみではないみたい」
「ミコ もしかしてあれじゃないの? 贈収賄でトップが逮捕された出版社があったでしょ?」
「具体的にはその出版社のコンテストに落ちてよかったっていう意味みたいだけどそれだけじゃなんだか浅い感じがしない? もっと他に理由があるんじゃないかな『多分あれだ』え?ゲンムは分かるの?『ああ 順序だよ』順序?『そう 順序を違えなくてよかったっていうことだろう』」

 改めてゲンムの凄さを想う

 ゲンムいわく

 世の理(ことわり)を護るなら

 順序を違えぬことなりと

 順序を違えぬことなれば

 君臣順序守るべし
 
 主従順序守るべし

 正邪の順序守るべし

 勤怠順序守るべし

 あな恐ろしき秩序逆

 あらゆることを逆しまに

 更に恐ろし過ちは

 神民順序乱すなり

 あまつに学徒に刷り込まん

 講師となりしそのをのこ

 さっさと逃げて隠れたり

 血気の威勢はどこへやら

 金だけ儲けてトンズラを

 決め込む姿は似非の武士

 武士づら決め込む卑怯者

 他人様嘲り脅したり

 口蓋覆うてないからと

 天子さますら侮蔑する

 あなおそるべしその論理

 論理といえば聞こえよし

 その実屁理屈こねただけ

 神州日本に立ち還れ

 まことのこころに立ち還れ

 日本は和をもて暮らす国

 和の根本は八百万

 八百万の神々が

 和して守護する国なりと

 シャムの恩人のたもうた

 異国の悪神手引きして

 日本を叩きに売る罠か

 よく思いこせみなさんよ

 同じ家族で神仏が

 異なることこそむなしけれ

 それは我が国のみならず

 異国のひととて同じこと

 祖先が守りし神仏を

 その国柄もて尊重せ

 更に思いこせ人々よ

 かつての戦争すべからく

 我心の宗教原因ぞ

 われの神様押しつける

 身勝手宗教原因ぞ

 日本の素晴らし国柄は

 あまたの神さま皆和して

 世界平和を護るなり

 世界のすべてのひとたちを

 思い遣るのが国柄ぞ

 くだらぬ忖度浅き知恵

 浅瀬ちゃわちゃわ浅知恵よ

 まことのこころが国柄ぞ

 剣よりペンが強しとは

 我心の世界観とやら

 ニタニタ通すたくらみか

 身勝手怠惰の世界観

 異世界なんぞへ行かずとも

 高天原をこの娑婆に

 見事現(うつつ)と現すを

 小説なさずに何がなす

 不正以前の問題ぞ

 我心の小説売るからと

 無理やりやりやり作る賞

 獲るも獲らせる者たちも

 ニタリニタリで懐を

 ワイロとカイロで温める

 だからみなさん助かった

 受賞せぬこと嘆くなよ

 まことは神さま見捨てぬと

 まことのココロで書きましょう

 どんなにPV伸びずとも

 忖度すれば後悔ぞ

 芸術忖度悲しだけ

 小説まことを書かずして

 何がまことを書くという

 ペンが剣より強しとは

 そういう意味ではなかったか

 みなさん共に書きましょう

 まことのココロを書きましょう



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「『うん』」
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