第255話 ならぬかんにん

文字数 329文字

『うぅ…』

 ゲンムのこれは手話じゃなくて表情なんだけどココロの声がほんとによくわかるよ どうしたのゲンム

『すまない…なんと説明したらいいかわからないんだ』

 学校で…?

『うん』

 くやしいの?

『くやしいけれどかなしいんだ』

 どうしてあげればいい?

『なにもしなくていい あ そうだ』

 なんだろ

 ゲンムはね 無言で…無言でっていうのはね ココロにもなんのモーションもなく手がね

 手話いうほどにモノ云ったよ

 手でくるんでおくれ

 彼女は両手でわたしの手の甲をふうわりと覆ってそのままほっぺたにわたしの手のひらをもっていった

 わたしはゲンムが造ってくれた手のひらのかたちのままにゲンムの熱いほっぺたをぺたりとぺたぺたしてね

「めテだ」

 わかるよゲンム

 つめたいよねわたしのて
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