第215話 半鐘やまぬ

文字数 1,483文字

 わたしがこんぴらさんに詣でたかったのは正直楽しみのためだった

 なのにシャムは許してくれない

「モヤ ゲンム 鐘の音が止まらない」
「鐘の音?」
「うん なんていうの? 若いお坊さんがお寺の庇の下にぶら下がっている小さな鐘みたいのをトンカチみたいので、シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン、って叩いてる」
「半鐘だね」
「消えないの シャムがその音をわたしの鼓膜にずっと流し続けてるの『急かしてるんだな』急かす? 何を?」
「ミコ 今までだったら諸行無常を個人の死ってレベルで捉えてれば日々の暮らしもそれで成り立ってた でも今の世の状況を考えれば軍隊を動かしている他国の…最悪なことに逆の意味でホンキで中二病の『世界観』でもって軍隊どころか核兵器の使用をやるぞやるぞと脅しの材料に使ってる まるで反社程度の低きに失した志さ そうしてその隣国たちが一緒になって調子に乗ってやるぞやるぞと脅してきてる ミコ ゲンム 100発核を持っている敵に対して1発核弾頭を持っていたところで何になる? だからシャムは半鐘を鳴らし続けてるんだ 今のままだと何のためにツバメの餌食となってまで彼女彼らの核弾頭を破壊し尽くしたはずなのに」
「? モヤ 市民の人たちには申し訳なかったけれども隣国と周辺のあのひとたちはもう立ち上がれないぐらいにダメージを受けたんじゃないの?」
「いや 更にその周辺国もあるだろう?」
「でも『ミコ いじめはなぜ起こる? 相手がムカつくからだろう 人種差別はなぜ起こる? 色の着いた人間がムカつくからだろう 関税障壁は? ムカつくからだ 独裁は? ムカつくからだ 軍事侵攻は? ムカつくからだ そこにものの道理などはなく ただただ己の身勝手な‘世界観’と偏狭な‘信念’とがあるだけだ 最悪なことにその偏狭な信念すらカモフラで腹の中は金がジャラジャラなって儲けに儲けてほくそ笑んでる自分の利さえよければいいっていう人間ばかりさ よく考えてみるんだ そうでなけりゃ日本人を腑抜けにするようなギャンブルを推奨するような取引を今戦争を起こしてる老人と一緒にするはずがないだろう そうして上手く振る舞っていたつもりがその外国の老人の方が数段上手で日本の‘頭がいい’と自分で思い込んでたひとたちは結局その外国の老人に捨てられてるんだ イエローが、ってな』うぅ…苦しいけどゲンムの言う通りだ…」
「ミコ だからシャムなんだろ シャムの‘ほんとうのこと’をねじ込まれた小説なんだろ」
「そうかもしれない でも、もう遅いんじゃ」

 ああ

 阿呆を馬鹿にするひとたちは

 とどのつまるところ

 その老人を利用し

 自分も利用され

 ほんとうに勝ち逃げするつもりで

 外国に逃げて行くんだろう

 それは地理的に逃げるという意味だけじゃなくて

 精神を外国精神に逃げるという場合もあるよ

 外国精神がダメなんじゃなくて

 隣国には隣国の精神がきちんとあって

 だから日本にも大和魂というまことの日本精神があるんだよ

 今までは武士でもないのに武士のフリをしたひとに騙されてきたけど

 もう猶予がないよ

 ほんとうの大和魂をもつエンタメを

 ほんとうの大和魂をもつ小説を

 だって事ここに至っては

 そうでない創作をするのは

 神さまのお働きを邪魔することになるから

 金儲けの忖度で書かれたり評価され受賞したような小説は今となっては何の意味もなかった

 だってその小説が拡散され洗脳のように読者の意識を逸らし続けたら

 神さまのココロを ほんとうのことを伝えようとするホンモノの小説を観えなくしてしまうから

 恐ろしい逆神の所業であるよ 
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