第221話 世を挙げての儀式を固辞する臣民

文字数 1,186文字

 わたしはしつこいほどに君臣の順序を問う

 どうしてかというとここが正念場だから

 これを押し切られてしまうと末代まで逆さまのままだから

「モヤ いい?」
「うん いいよ」
「ゲンム いい?『ああいいぞ』」

 王でなく
 
 ましてや君でも主でもなく

 逆らう目ヂカラ恐ろしく

 我が王ぞと睨め上げる

 臣下であること棚に上げ

 知らぬ存ぜぬ誰が主と

 やってしまえば我のもの

 残りた家来のものどもも

 死すら残さずしゅぶりつく

 金はボウボウ火をたてて

 民の落涙焦げ尽くす

 民は食事もままならず

 本来真先に譲るのは

 官位あるひと先のはず

 それを我こそ王様と

 供物をよこせと脅迫す

 忖度忖度裏の裏

 表に返りし乞食かよ

 我の死後など知らぬこと

 異国の宗教民を食み

 しゃぶり尽くさる民の骨

 民はスーパーはしごして

 ポイント駆使すも空きっ腹

 甘いパンでも食べたいと

 泣きやる我が子を黙らせて

 つのる苛立ちもう無理と

 警察検挙にフル稼働

 罪を犯しし民悪い?

 違う この世を踏みにじる

 悪神さらに加速する

 売国するのはあら不思議

 天下に恐るるもの無しの

 カタカナセンセイもういいや

 もういいもういいどうでもいい

 やりたきゃなんでもやっておれ

 我ら苦に墜つ臣民は

 君の前にぞ項垂れる

 心底恐れ入りまする

 君こそ我らの真の親

 君をぞ仰ぎ敬いし

 臣民最後に光るなり

 負けるが勝ちと親さまも

 自らお手本お示しぞ

 君こそまことのココロをば

 我らに明らに指し示す

 自らお手本示しやる

 真の愛国心を持つ

 口先だけのセンセイよ

 愛想が尽きたもういいぞ

 我ら日本の臣民は

 君こそ親よと頼みつつ

 君臣睦み和合する

 真の現世の高天原

 必ずお見せいただくと

 それだけばかりを楽しみに

 しばしの間やはげみましょう

 しばらく間やゆきましょう

 なるかんにんはたれもする

 ならぬかんにんするのこそ

 まことのかんにんと皆さんよ

 とかくこの世はかんにん土

 忠孝の二字もかんにんよ

 かんにんすれば智慧すぐれ
 
 かんにんするひと慈悲ふかし

 さあみなさんよやりましょう

 真の愛国見せましょう

 口先だけの愛国と

 根っから違うそのまこと

 口先だけの我欲の徒

 溶かして救ってあげましょう

 カタカナセンセイよくお聞き

 そちらはお情け受けただけ

 君主さまのお慈悲をば

 ははあと受けたそればかり

 それを忘れて何を為す

 華美華美贅沢あらんだけ

 そなたはけして主ではない

 どこまで行ってもそちは臣

 威張ってふんぞり返ろうと

 君主さまのお手の内

 君の寛容広大で

 それに甘えておるばかり

 早く君に忠せねば

 そなた乞食に落ちるぞい

 まこと苦心のひとならば

 威張るな凄むな慈悲捨つな

 はやく君のご恩をば

 骨身に刻んで粉骨の

 まことの心に早よ戻れ

 そなたが停滞する内に

 弱き臣民そち超える

 苦労に苦労を重ねつつ

 臣民全員そち超える

 気がつきゃそちに残るのは

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