第241話 あらぶる神さま

文字数 966文字

 取り違いしてたよ

 荒ぶる神さまは荒れ狂う神さまじゃないんだよ

 現ぶる神さまなんだよ

「『ミコ わたしのこと怒りっぽいって思うか?』ああうん 間違いなく怒りっぽいよね だから手話なのに怒りが漲ってるもん」
「『わたしのこと怖いか』?なんで どうしてそんなこと訊くの?」

 ゲンムは大切なのに

「『シャムはわたしのこと怖がってなかったかな』」


荒ぶる神のその怒り

わたしが溶かして奉る

荒ぶる神は罪穢れ

一身に背負いて世の中を

三千世界を浄化する

お気持ち誰か汲めようか

怒りを穢れと他の者に

押し着せからりと晴れた奴

臭いものには蓋せよと

爆弾リレーで手渡して

ほんにやさしきそのお方

他者に渡せず一心に

世界のすべての罪穢れ

我が身で預かり溶かし去る

溶かしてくださるそのお陰

誰がどうして気づけよか

運のよいこと善行の

結果と誉れし浅知恵の

浅瀬ちゃわちゃわみちゃわちゃわ

我が身の善行誇らしげ

そんな奴ばら理解せぬ

底底底のまた底の

泥沼泥土に落ちなけりゃ

ほんにお気持ち汲めはせぬ

あらあらなぜに我が身のみ

ここまで落ちぶれ果つるかと

我の悪事のせいじゃろか

嘆くひとたち掬いやれ

心のきれいさ誇らしげ

肚のどん底裏返しゃ

闇の陰口花盛り

そういう偽善の奴ばらも

まとめてくるりと抱き締めて

この方きれいにしてやると

一身に罪を負い給う

偽善のゼニ金好きなひと

心の清さを誇るひと

虚言で選挙を通るひと

そんなに己を誇るなら

現にそれをやりみよれ

ゴタゴタ言うまにスッキリと

はよう実行してみよれ

最初に偉そに言うたこと

さっさとやってみせなされ

どん底落ちたるひとびとよ

ほれほれ嘆き給うなよ

辛いなれどもあと少し

nearly soonじゃみなさまよ

ならぬかんにんしておくれ

ならぬかんにんするのこそ

まことのかんにんとみなさんよ

とかくこの世はかんにん土

忠孝の二字もかんにんよ

かんにんすれば智慧すぐれ

かんにんするひと慈悲ふかし

歌も示しも裏表

表と裏とでみなさんを

わたしがお護りいたします

この歌狂人歌うたと

思いたいなら思いやれ

心底曇らぬ人にこそ

伝わりゃそれでよいものぞ

伝わりゃどん底その人が

地の底からも他のひとに

そうじゃなかろと諭すぞよ

わたしもまだまだ未熟者

怒りが先に出てしもう

神さまなにとぞたのみます

我の怒りを鎮めたも

怒りを海底鎮めたら

マグマのようなその力

一気に大地へ現して

平和の極みの高天原

実現実行尽くします

喜び勇んで尽くします
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