第250話 遠い島に彩り添えて
文字数 412文字
わたしはねこう思うんだよゲンム
秋の落ち葉が赤や黄色や落ち着いた茶色やいろとりどりに染まるのはね
秋立ちても寂しくないようにだと思うんだ
ゲンム
どう思う?
そうだな
わたしもそうおもうよ
よかった
ゲンム わたしはこうも思うんだ
秋が過ぎて冬になったときに
冬に花開く草木が凍るのは氷でもいいから水分を保たなきゃいけないからだと思うんだ
ゲンム
どう思う?
そうだな
わたしもそう思うよ
ミコの言うとおり氷は人の目をも花弁とともにいやすだろうな
ゲンム
ゲンムは氷と水とどちらが好き?
選べないな
そうか
じゃあゲンム
落ちる葉と これから開く花とどちらが好き?
そうだな
美醜という観点では甲乙つけがたいが
この石碑の前にいる今この瞬間は
散りて落ちてゆく葉が
とても好きだ
日本をはるか何百里何千里離れた海に浮かぶ美しい島々で 蒼き緑の中で散りゆく兵士たちに
もみじの赤を
いちょうの黄を
いろどり添えて
秋の落ち葉が赤や黄色や落ち着いた茶色やいろとりどりに染まるのはね
秋立ちても寂しくないようにだと思うんだ
ゲンム
どう思う?
そうだな
わたしもそうおもうよ
よかった
ゲンム わたしはこうも思うんだ
秋が過ぎて冬になったときに
冬に花開く草木が凍るのは氷でもいいから水分を保たなきゃいけないからだと思うんだ
ゲンム
どう思う?
そうだな
わたしもそう思うよ
ミコの言うとおり氷は人の目をも花弁とともにいやすだろうな
ゲンム
ゲンムは氷と水とどちらが好き?
選べないな
そうか
じゃあゲンム
落ちる葉と これから開く花とどちらが好き?
そうだな
美醜という観点では甲乙つけがたいが
この石碑の前にいる今この瞬間は
散りて落ちてゆく葉が
とても好きだ
日本をはるか何百里何千里離れた海に浮かぶ美しい島々で 蒼き緑の中で散りゆく兵士たちに
もみじの赤を
いちょうの黄を
いろどり添えて