第188話 陰陽道の赤舌日 徒然草91

文字数 779文字

□陰陽道で万事に凶である日を赤舌日ということを、陰陽道には問題にしていない。昔の人これを忌み嫌わなかった。最近、何者かが言い出して忌み嫌い始めたのか、「この日に行うことは、上手くいかない」と言い、その日言ったことや、したりしたことは成就しない、得た物は失うし、計画したこと成功しないと言う、愚かなことである。吉日を撰びてなしたる仕事で上手くいかなかったことを数えて見ても、また同じくらいの数がある。その理由は、人間界は流転変化するので、あると見るものも存ぜず、始めがあることも終りがない。志は遂げることができず、願望は絶えない。人の心は定まらず。物は皆、万物は幻のように変化する。何事が変化せず暫くでも留まっていようか。赤舌日はこの理を知らないのである。「吉日に悪をなせば、必ず凶になり。悪日でも善を行うならば、必ず吉になる」と言っている。吉凶は、人によるもので、日によるものではない。
※921生ー1005没の陰陽師安倍晴明を曲にし羽生結弦がフィギュアスケートで華麗な舞を見せた。禍を避け福を招く方術として,陰陽師が活躍した。冠婚葬祭や方角の吉兆を占うらしい。
明治5年ごろ法律で禁止されたという。兼好先生は、陰陽道で占っても、確実に当たるはずはないと断言されている。それは人間界は流転変化するものであるから事前に占ってもあたり外れがある。こんないい加減なものは良しとはしない。
※2 兼好は、陰陽道にも詳しかったようだ。R4年4月17日、吉田神社を訪ねたとき、この神社の出身ではないと神職が断言された。吉田の前は占部氏が納めており、まじないのようなことをやっていたその時代の人ではないかとも言っていた。ネットでは吉田神社の吉田兼俱の子供でという経歴があったが、どうも違うらしい。兼好が居た記録はないという。折角勢い込んで、吉田神社を訪ねたのに。がっくりきた。
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