第167話 琵琶達人への嫌がらせ 徒然草70
文字数 364文字
□元応の頃、清暑堂での管楽器の御遊びにおいて、琵琶の名器玄上が失くなった頃、菊亭大臣が別の琵琶の名器牧馬を弾じ給われるというので、座に着きて、まづ柱を探られたところ、弦を支える柱の一つが落ちていた。懐に飯粒の糊をお持ちになっていたので付けられければ、神の供物が参った頃、ほどよく乾いて、差しさわりもなかった。いかなる遺恨があるのだろうか。見物の衣かづき女が、寄ってきて柱を取り外して、元のように置いたということである。
※琵琶の名手であるので、常日頃よくあることなのだろう。弦を支える柱が落ちていたが、慌てず騒がず、糊付けし、急場をしのいだ。さすがであるが、見物の女が演奏後、琵琶を取りに来て、又弦の柱を外して元のところへ置いた。誰かの嫌がらせなのか。世の中、こういうこともあるよということを先生は言われているのだろうか。
※琵琶の名手であるので、常日頃よくあることなのだろう。弦を支える柱が落ちていたが、慌てず騒がず、糊付けし、急場をしのいだ。さすがであるが、見物の女が演奏後、琵琶を取りに来て、又弦の柱を外して元のところへ置いた。誰かの嫌がらせなのか。世の中、こういうこともあるよということを先生は言われているのだろうか。