第22話 始め終りこそ-3死は時間の問題 137

文字数 411文字

□桟敷前を行き交うひとに顔見知りが大勢いる。これらの人がみんな死んだ後に私が死ぬのも時間の問題だ。大甕に小さな穴が開いて水が漏れ続ける。1日に2・3人死ぬ日があったも、死なない日はない。葬儀屋は棺桶を買っておいてもすぐ無くなってしまう。兵隊が戦に出る時は死を覚悟し、家も身も忘れ戦う。隠遁生活を送る者は、石や水を鑑賞し、他人事のように思っているが、無常という敵が襲ってくるのだ。死に直面すること、兵隊が戦場にいるのとなんら変わりはない。
※忙しく、情報が飛び乱れる現代は、静かにものごとを考える時間が少ない気がする。まさに兼好法師が言うように人の死なない日はない。今の世も、700年前の世も同じである。私も死ぬのも時間の問題なのです。明日、交通事故でまた何年か先、寿命が尽きてあの世へのお迎えが来るのです。ジタバタしても、心静かにしても、誰も平等に、トランプだって習近平だって同じなのです。
しかし、未練もあるのです。
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