第７８話　思う通りにならない　徒然草１８９

□今日はそのことをしようと思っていても、別の急ぎが、出来てそれにまぎれて1日が暮れ、
待ち人はさわりがあり、頼みもしない人が来たり、頼みにしていた方は当てが外れ、思いもよらぬことばかりは叶ってしまう。煩わしことはそれほどでもなく、簡単だと思っていたことが、ひどい苦労させられた。日々過ぎていく様は、前もって思っていたことと似ても似つかない。1年の間もこのようなものだろう。一生の間もまたかくのごとし。以前からの予測が、皆違ってくるかと思うと、おのずから違わぬこともあれば、いよいよ物事は定めがたいものだ。不定と心得ることこそのみが、真実と違わないということである。
※今日の予定をたてても、別件が発生しそれに取り紛れて１日潰すことはよくある。不意の客が来たり心待ちにしていた人が急にこれなくなったり、世の中すべて予定通りにいかない。７００年前も現在も同じ体験を人々は味わっています。1年も７００年も変わらぬことでありましょう。
しかしJRの山手線などは時間通りに離発着するのには、驚きです。人のやることは、思いもかけぬことを、しでかす場合がある。それが面白いのかもしれません。不条理の世界に人間は生きているのでありましょうか。