第115話 ピュア―な人生 徒然草18

文字数 553文字

□人は、己を慎ましやかにし、奢る気持ちを避けて、財産を持たず、世の中をむさぼらないのが素晴らしいことである。昔から賢人が裕福であるのは稀である。唐の国の許由という人は、さらに身に従える貯えもなく、水ですら手を献げて飲んでいるのを見て、瓢箪というものを人がくれたのである。あるとき、木の枝に掛けていたのであるが、風に吹かれて鳴りだしたので、やかましいといって捨ててしまった。また手に水を掬って飲み出した。どんなに心の内はさっぱりとしたことであろう。孫晨は、冬月に衾の掛け布団もなく、藁一束あったので、夕べにはこれに臥し、朝に納めていた。唐の国の人は、これ立派なことだと思えばこそ、印し留めて世間に伝えたのだろう、ここいらの人は語りもせず伝えることもしない。
※物も心も慎ましく過ごし生きていくことが、ピュアーな人間の生き方なのであります。銭を執拗に追及し、心の貧しい人は、つまらない人間であると仰るのです。水は飲めれば良いので、器をあれこれ選択し、見せびらかすのは、下賎な人のやることである。茶の湯などはとんでもないということでしょうか。修行する人は道楽などして時間を過ごすべきではないのでしょう。ひたすら仏の道を追及するのでありましょう。両方ありたいと思うのが、凡人の悲しさなのでありましょうか。
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