第122話 見たこともない世までの思い 徒然草25

文字数 850文字

□飛鳥川の淵の瀬が常ならぬように、世の中も、時移り事去り、楽しみ悲しみ行きかいて、華やかなりし辺りも人が住まない野良となり、変わらない住家は人が改まっている。桃や李はもの言わねば、誰とともにか昔を語らん。まして、見ぬ昔の高貴な方の跡のみぞ、いと儚いものである。京極殿・法成寺など見れど、志は留まるが、事変じける有様は哀れなれ。御堂殿が作り磨かせ給いて、荘園多く寄付せられて、我が御族のみ、御門の御後見、世中の守護にと、行末までもと思し召しになっていた時は、いかならん世にも、かばかり褪せ果ててしまうとは、思われなかっただろう。大門・金堂など最近までありしかど、正和の頃南門は焼けた。金堂はその後、倒れ伏したるままにて、とり立つる様子がない。無量寿院ばかりが、その姿が残りたる。丈六の仏九体、いと尊い姿で並んでおわします。行成大納言の額、源兼行が書ける扉、あざやかに見えるぞしみじみとした趣がある。法華堂などもいまだ侍るなり。これもまた何時までかあらん。かばかりの名残だにない所々は、たまたまわけの分からない礎ばかり残っていれど、さだかに知れる人なし。されば、よろずに見たこともない世までを思い及んでも、はかなかるべし。
※見たこともない世まで思い及んでも、はかないもの。石に刻んで自分の功績を残せば後世までのこるかもしれない。それがなんなのですか。大理石でできた大門・金堂を造れば、後世まで残るのでしょうが、木造だといずれ朽ち果てるが、燃えてしまうのです。権勢をほしいままにした平家も久しからずと昔より言います。長い時の流れの中の一瞬の光であったのでしょう。そういわれれば生けるものすべてがそうなりますよね。それから、その一瞬が大切なのです。しかし、大切にしないのも、一瞬です。岸田総理は今、一瞬輝いているでしょう。思い切って自分の思うところを、やってみたらいいのじゃないですか。菅さんも線香花火のように、一瞬輝いた。それでもいいのです。安倍さんや麻生さん名残だになくなってしまうのでしょうか。
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