第37話 日野資朝の逸話 152老いぼれ犬
文字数 377文字
□西大寺の静然上人は腰が曲がり、眉毛は白く、誠に徳がある有様で、内裏へ参られた時のこと。西大寺内大臣殿が 「ああ、尊きお顔であります」と信仰の気色を示されていたところ、日野資朝卿がこれを見て「年を取っているだけのことですよ」と申された。
※静然上人は修行も積まれ、徳もあり人間味のある方である。内大臣が尊きお顔ですことと賞賛された。日野資朝は少底意地の悪い少し変人だったのでしょう。形や姿だけでものを判断する。普通の老人としてしか、上人を見れなかったのだろう。
□後日、資朝卿はむく犬の老いさらばえ、毛剥げたのを引いてきて「この気色が尊く見えるでしょう」と、西大寺内大臣のいる内裏へやって来たという。
※資朝卿も老いさらばえた犬と上人も見分けも付かないたわけ者だったのだろう。後醍醐天皇の寵臣であった日野資朝はその後の政変で死刑になったらしい。
※静然上人は修行も積まれ、徳もあり人間味のある方である。内大臣が尊きお顔ですことと賞賛された。日野資朝は少底意地の悪い少し変人だったのでしょう。形や姿だけでものを判断する。普通の老人としてしか、上人を見れなかったのだろう。
□後日、資朝卿はむく犬の老いさらばえ、毛剥げたのを引いてきて「この気色が尊く見えるでしょう」と、西大寺内大臣のいる内裏へやって来たという。
※資朝卿も老いさらばえた犬と上人も見分けも付かないたわけ者だったのだろう。後醍醐天皇の寵臣であった日野資朝はその後の政変で死刑になったらしい。