第119話 古きもの良し 徒然草22

文字数 512文字

□何事も古き世のみぞ慕わしき、今様はやたら下品になっていくようだ。あの木の道の匠が造った、美しい器物も、古代の姿こそ素晴らしく思われる。手紙の言葉などでも、昔の使用済みのものでもひどく立派である。ただ口にする言葉も、感心できないものになっていくようだ。いにしえは、「牛車もたげよ」「灯火かかげよ」とこそを言っていたのを、今様の人は、「もてあげよ」「かきあげよ」と言う。「主殿寮の人数立て」というべきを、「た松明を明るくせよ」と言い、
天下太平祈念の最勝講の天皇が御聴きになる所なのだが、「御香の炉」とこそいうを、「香炉」
と言う。くちおしとぞ古き人は仰せられし。
※過ぎ去った事が、現実を洗い流し、奇麗な過去にみえたりするものでございます。兼好先生も少しお年を召されたのではないでしょうか、今の若いものはいかん。ワシの若いころはこうじゃやったとか。そういう方もおいでになったようでございます。しかし、昔の方が表現が直接的ではなく優雅な感じもするような気がします。牛車もたげよ等と言う方が、味がありますね。香炉のことを、お香の炉と言っていたのですね。言葉のニュアンスを読み取る。外来語はやはり微妙な感じもでますかね。
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