第177話 専門外の武芸 徒然草80

文字数 481文字

□人は夫々に、我が身に精通していないことのみ好む傾向がある。法師が兵の道に熱中し、武者が弓をひく術を知らず、仏法を知っている態度をとり、連歌をやり、管弦を嗜んだりし、されど、愚かなる自分の専門の道よりは、なお人から侮られるに違いない。法師ばかりでなく、公卿である上達部・昇殿を許された殿上人など、上流の人まで一様に、武芸を好む人が多い。百度戦いて百度勝つとも、未だ武勇の名を決定することは難しい。その理由は運に乗じて敵を砕く時、勇者でないという人はいない。兵が尽き、矢が窮っても、最後まで敵に下らず、死を恐れず戦いきった後、初めて名を顕すべき道である。生きていたのでは武に誇ってはいけない。人倫に遠く、禽獣に近い振舞、その家柄にあらずんば、好んでも益なきことである。
※自分の専門でもない領域に興味を持ち、かなりの腕前になる人がいる。しかし、本職の人とは心構えや経験も違う。趣味としてやる分には問題ない。いくら武勇伝があっても、命を懸けた武者とは心構や 戦の場での戦いとは雲泥の差があるのでしょう。しかし本職でも、本当に精通するのはなかなかできないものである・
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