第109話 同じ心の人としんみり 徒然草12

文字数 592文字

□同じ心の人としんみりと物語をして、興味のあることも、世の中の虚しいことも、虚心坦懐に
話合い慰め合うことも嬉しいものだが、そういう全く考えが違わない人と、対座していると、ただ一人でいるような心地がする。お互いに言いたいことがある場合に、「なるほど」と聞く甲斐があるものの、すこし違う所もあるような人に「我はそうは思わん」など争い憎み、そういう理由なら「さもありなん」と語り合えば、やるせなく慰められると思うけれど、本当のことを言えば、少し言い逃れ気味でも我と等しい考えでない人とは、大方の通り一遍のことを言ってやり過ごし、本当の心の友とは、はるかに隔たりがある所があるのは、侘しいことである。
※兼好先生はボキャブラ―が豊富で、同じことを色々な表現でなさるのには素晴らしいと思う。
この12段は我々の心の中に存在するものである。唯一無二の親友であれば、同じ考えで腹蔵なく話し合え共感するのだろうが、なかなか自分と全く同じ考えの人とは、巡り合えないことが多い。適当に話を合わせ、その場をしのぐ。意見の違いを口論しだすと、自己主張、我田引水と醜く争うことになる。心の中が見えない。そこが神秘なところである。自分の子供の考えていることが分からいのは当たり前のことか。それで悩むことはないのだろう。人生悩むことは多いが、自分の心を理解してくれる人と一緒に居れることは素晴らしいことである。
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