第219話 光明真言と宝篋印陀羅尼 徒然草222

文字数 410文字

□竹谷の乗願房が、後深草天皇の皇后の東二条院へ参られたところ、「亡き者への追善にはどんな事をしたら、ご利益が多いだろうか」とお尋ねなされたので、「光明真言と宝篋印陀羅尼(ホウキョウインダラニ)」と申されたのを、弟子どもが「どうしてあのような事を申されたのですか」と申しければ、「我が宗旨であるから、そのように申しあげたかったけれども、確かに阿弥陀仏の名を称え、亡き人の追善に修して大きなご利益があると説いている経文を見たことがないので、皇后が何の経典に書いてあるぞと重ねて問われたので、どのように申しあげようかと思って、経典の確かなる事について、この真言・陀羅尼をば申したのである」とぞ申されける。
※光明真言とは、密教で用いる真言の一。これを唱えると、一切の罪障が除かれ、福徳が得られるという。宝篋印塔を礼拝し、陀羅尼をとなえて先祖を供養することを通じて、重罪が消え現世に災いが無くなり、来世は仏のみもとに生まれる。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み