第196話 古い物にも価値 徒然草99

文字数 343文字

□堀川相国は、美男の金持ちの人にて、何事に付け贅沢を好まれていた。御子 基俊卿を検非違使の長官になして、庁務おこなわれけるに、庁舎の唐櫃という箱物が見苦しいからと、立派な物に作り改めらるよう仰せられたのだが、この唐櫃は、古代より伝わっていて、その起源をも知らず、数百年を経ている。累代の公物、古く傷んでいることをもちて名誉としている、たやすく改められ難き旨、故実の諸官等が申しければ、そのことは沙汰やみになった。
※男前で裕福で贅沢を好む相国が、古くなれば何でも新しい物に替えたがる。どこにもいそうな人物だが。古い物ほど味わいがあり、まして公共物は、古きを持ってよしとする、言い伝えがある。先人は良いことを仰った。経済が悪くなれば、紙幣は印刷すれば良いと公然という、馬鹿殿が福岡にもいる。
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