第57話 若者の血気と老人 徒然草172

文字数 654文字

□若い頃は、血気盛んで、心情的にも豊かで、性的欲望も強い。体を張って危険に挑み、砕けやすいこと、ガラスの球を転がすようなものだ。麗しいものを好み、金を使い果たしたり、はたまた遊びを辞めて出家したり、勇ましい心意気で、争いごとをしたり、精神的に恥じたり人を羨んだり、好き候で日々定まることが無い。色事に耽り情愛をいとおしみ、勇を潔しとして、長い年月の人生を誤り、命を懸けて事例を念願し、太く短く人生を過ごすことを思い、好き勝手なことに惑わされ、長く人の語りぐさになっていることもある。自分の身を誤ってしまうことは、若気のしわざである。
※まさに若気のいたりで、血気にまかせて喧嘩をしたり、性欲を発散させたり、恋愛をしたり、無謀とも言える行動をする。これが若者だと言えば若者の特権なのかもしれない。経験も無く、試行錯誤し、我が道を歩くのも、若者の特権かもしれない。といって、この若者の行動を摘んでしまうのも、寂しい気がする。思いっきり自分のやりたいことをやれと応援したい気もする。
□老いていく人は、精神が衰え、執着心がなおざりになり、感じる心も薄らいでくる。心おのずから静かになれば、無益な技はしないし、身体をいたわり愁いもなく、人に煩いを掛けないように思う。老いて、智恵が若い時に勝っている状態は、若いのに、容貌が老人以上に老い衰えている状態を見るようなものである。
※老いた人が若い格好したするの年甲斐もなくみっともない気がする。若い者が年寄臭く背中を丸め、古くさい格好するのも、見る気がしない。
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