第102話 月を見て昔を 徒然草5
文字数 386文字
□深く愁いに沈んでいる人が、出家などを思慮浅く思い立ったのではなく、いるかいないか分からないように、門の内に籠って、誰を待つこともなく開け暮らす、そういうふうにあって欲しいと思う。顕基中納言の言っているように、罪を犯し流された地での月は、無罪の時に見ると、そのような心持であったのだろう。
※後一条天皇は8歳で即位され、16歳の源顕基は天皇に信頼された。従四位下から従三位となり、35歳で権中納言になり、36歳の頃天皇が崩御すると出家した。「忠臣二君に仕えず」と出家した。48歳ころ亡くなったらしい。平穏な時に、上空に輝く月を見る。そういう余裕もなく俗世にまみれ、生きてきた。島流しの刑で、囚われの身となり、初めて穏やかな月をみる心を持ったということでしょうか。平常心なく罪を犯し、天空をみて、己の小ささを反省したということなのでしょうか。
※後一条天皇は8歳で即位され、16歳の源顕基は天皇に信頼された。従四位下から従三位となり、35歳で権中納言になり、36歳の頃天皇が崩御すると出家した。「忠臣二君に仕えず」と出家した。48歳ころ亡くなったらしい。平穏な時に、上空に輝く月を見る。そういう余裕もなく俗世にまみれ、生きてきた。島流しの刑で、囚われの身となり、初めて穏やかな月をみる心を持ったということでしょうか。平常心なく罪を犯し、天空をみて、己の小ささを反省したということなのでしょうか。