第128話 奥ゆかしい心情 徒然草31

文字数 303文字

□雪の面白く降った朝、人の元へ言うべきことがあって、文をやったのですが、雪のことを何とも言はなかったその返事に、「この雪いかが見ると一筆載せ給わないほどの、へそ曲がりな人の仰せらるること、聞きいれるべきだろうか、いや聞き入れるべきでは無い。返す返す残念な御心持ちである」と言いたりしこそ、面白かった。今は亡き人なれば、かばかりのことも忘れがたし。
※風流な心を持っている人には、それなりの心遣いがあること、大切なたしなみである事を、露骨でなく、やんわりと返す文がなんとも味わいのある遣り取りなのでしょう。直接的で無く奥ゆかしい心情、いまはそういう遣り取りは少ないですかね。
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