第205話 紐結びの手順 徒然草208

文字数 408文字

□経典などの紐を結ぶときに、上と下からたすきのように交差して、二筋の中より、輪の状態の頭の方を横向に引き出し留めることが、通常のことである。そのようにしたものを、華厳院 舜僧正が、紐を解いて直させた。「これは、近頃のやり方であり、とても気にくわない。キチンとしたやり方は、ただ、くるくると巻いて、上から下へ輪の先を差し挟むべきである」と申さた。古き人で、このようなことに知悉した人であられました。
※経典の本に綴じ方にも、昔からの手順があり、合理的なやりかたでもあったのでしょう。ただ紐で結ぶだけではバラバラになることもある。ヨットなどのロープワークというのがあるようですが、手順を間違えば命取りになる。本の綴じ方も、現代と当時では当然やりかたや道具も違う。いまやコンピュター時代、ノーハウは山ほど転がっている。道具の手順書をみてやれば、うまく組立てられる。古い人の知識に頼らなくても良くなった。老兵は去るのみか。
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