第192話 箱の刳り形 徒然草95

文字数 335文字

□「箱の刳り形に緒を結び付けるには、箱の蓋のどちら側に付けるといいのでしょうか」と、ある有識の人にお尋ね申したところ、「巻物の軸は開くとき左にくるので左というが、左に緒を付ける、表紙は開くと右にくるので右というが、右に緒を結び付ける、両説あるので、いづれにも欠点はない。書物を入れる文箱は多くは右に付ける。身の回りのものを入れる手箱には左に付けるも常のことなりである」と仰せられた。
※木箱で蓋つきの物があり両端に穴があけてあるのでしょう。片側の箱と蓋に紐を通して開ける時、便利にしてある。文箱は右に緒を付けると、開ける時蓋は右に置く。両手で巻物や文をいれた後、閉める。手箱は左に緒を付け、蓋を左手で持ち開き、中の小物を右手で取り出す。という便利性を考えたのだろうか。
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