第96話 正論の納得 徒然草207

文字数 550文字

□亀山殿を建てられることになり、地面を掘られたところ、大きな蛇、数多く凝り固まっている
塚があった。「この地の神様だろう」と言いて、事の次第を申し上げたところ「どうしたらよいか」と天皇の質問があったが「古くからこの地に住んでおったのなら、無造作にほうり捨てられません」と皆は申し上げたが、この實基大臣一人、「天皇が治められておられる土地におる虫、皇居を建てられるというのに、何の祟りがあるものか。天地の神霊は曲がったことは行わない、蛇のことを気にかけてはならない。ただ皆掘り出して捨てるべし」と申されましたので、塚を崩して、蛇を大井河に流してしまった。全く祟りはなかったという。
※1255年に後嵯峨上皇が小倉山東南の亀山山麓に亀山殿(嵯峨殿)を造営した。建設に際し、地面を掘ると大きな蛇の塚があった。吉凶の世界観から見れば、凶ではないか、不適当な土地ではないかと勅問に対し、大勢が申し上げる。藤原実基(1201-1273)は1952年に、太政大臣になっており、彼一人が天皇の治める土地に凶なる土地はない。万物の神霊はそんな曲がったことはしないはずだと主張した。上皇はもっともな答えだと判断され亀山殿を建設した。、忖度をしない筋道が通った意見だった。
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