第240話 人の苦楽 徒然草242

文字数 660文字

□常に逆境と順境に操られているのは、人が苦しみを免れ、楽しみを享受したいからである。楽しむというのは、好きなことをしたり人を愛したりすることである。好きなことや愛することを求める気持ちは、止まる時がない程、心の中にある。楽しみ欲するもののうち、一つは名という名誉である。名誉には二種類のものがある。行状が立派なことや才能と技芸での誉れである。
二つには色欲であり、三つには味あい食欲である。その他の色々な願い事は、この三つには及ばないのである。これらは、本末転倒の相より起ったものであり、多くの苦しみや悩ましい煩いのものである。 このような苦楽を求めないほうが、賢明なのである。
※出家した時の考え方が最後に書かれています。精神的、肉体的に人は快楽を求め苦役を厭がるのが、常であります。名誉欲・色欲・食欲が三大欲であるということでしょう。これらを断つこと仏の道なのでしょう。凡人としては生きていく過程において、これらの欲望は心から離れないような気がします。まだこの年になっても煩悩から抜け出せないのが現状であります。もう幾ばくもこの地球に存在することが出来なくなった私としては、今更ながら改心するのも、無理なような気がします。現在の状況に執着し、出家するという思い切った行動が出来ないのです。悪事を働いたことはないので、地獄の責めは免れるという宗教もありますので、それを信じていくよりありません。しかし兼好先生の随筆にも一理以上のものが在るように思えます。取捨選択しながら愛読して参ります。第243段で完読となります。
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