第206話 僻事にも道理 徒然草209
文字数 327文字
他人の田の所有権を争う者が、訴えに負けて、忌々しく思い、「その田の稲を刈って取れ」といって、人を行かせたところ、まず、道すがらの他の田をさへ刈りとって行くのを、「これは争そっていた所ではない。どうして、こんなことをするのだ」と言いければ、刈る者どもは、「その所の田とても、刈るべき道理がないにもかかわらず、悪事である僻事をしようとやって来た者なので、
どこの田でも刈ってしまうのだ」とぞ言いける。その道理が滑稽であった。
※田の所有権争いで負けたものが、腹癒せに人を頼んで、争っていた他人の稲を刈ってしまえといい人を遣って刈り取らせた。刈る人も泥棒みたいなものだから、指定されない田の稲まで刈ってしまって。ぼろ儲けしようとした。泥棒にも一部の理がある。
どこの田でも刈ってしまうのだ」とぞ言いける。その道理が滑稽であった。
※田の所有権争いで負けたものが、腹癒せに人を頼んで、争っていた他人の稲を刈ってしまえといい人を遣って刈り取らせた。刈る人も泥棒みたいなものだから、指定されない田の稲まで刈ってしまって。ぼろ儲けしようとした。泥棒にも一部の理がある。