第178話 屏風や襖絵の出来 徒然草81

文字数 416文字

□屏風・障子などの絵も文字も、ぎこちない筆つきで書いてあるのは、見苦しいというよりも、
宿の主がつまらい人物に思えるものだ。大方、持っている調度品によっても、幻滅を感じさせられることがあるはずだ。とはいえ良き物を持つべしということではない。傷むからといって、品がなく見にくき様子に仕立てたり、珍しいからといって、不用なことども付け添えたり、面倒くさい好みに仕立てることををいふのである。古めかしいようで、さほどごてごてしていないで、出費もしなくて、物の質の良いのがいいのである。
※屏風や襖に書かれた絵や文字はへたくそなものが時々みかけるが、素人のものは、プロのものと出来栄えが違う。芸術は訴えるものが内蔵しないと、見る人に感動を与えない。標識であれば、意味が理解できれば用はたりる。調度品なども見栄えはプロの腕でないと、観賞にたえない。趣味で自分だけ楽しむのであれば、問題ないが、他人に見せる、また買ってもらう物は品質第一である。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み