第145話 御膳の後片付け 徒然草48

文字数 295文字

□光親卿が、御所で最勝講という仏事の奉行としてお仕えしていたとき、御前へ召されて、後鳥羽上皇の御膳を出されて食事をされていた。さて食い散らしたる食器を乗せる御膳を御簾の中へ突っ込んで退出していった。女房たちは、「あら汚い。誰に片づけさせる気なのか」など話あっていると、「故実に詳しい有職者の振舞い、見事である」と、上皇は何度も感心なされ給ひけるとぞ。
※後鳥羽上皇の信任厚かった光親卿は、故実に詳しく、上皇との食事の後は、箱膳を御簾に突っ込んで置くのが、先例の習わしだったのでありましょうか。光親卿は承久の乱の幕府討伐の案を後鳥羽上皇の指示で作成した。承久の乱が終わったあと惨殺されたという。
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