第118話 空の名残 徒然草20

文字数 361文字

□なにがしとかいう世捨人の、「この世に心を惹きつけて束縛するものも持たない身にとっては
、ただ空の名残だけが惜しい」と言いしこそ、まことにそのように思われる。
※世の中を捨てた人でも、空をみて、時間の流れゆくことを、終わっていくことを、切なく思うのだろう。幸せも時間も全て捨て、虚無の気持ちで時を過ごすことはできないのだろうか。煩悩に煩わされ、束の間の楽しみに心奪われ、過ぎ去り行く体験を思いでだけ残し、次の新しい体験に挑んでいく。しかしそれも直ぐに過ぎ去ってしまう。思い返せば走馬灯のように回転しているようで、同じ繰り返しはない。しかし、与えられた人生は、精いっぱい、自分の出来る範囲で、楽しみ、苦しみ、時と共に過ぎ去っていくのも良いと思う。兼好先生のエッセイを読むと、納得させられること多し。最後まで完読したいと思う。
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