第52話 自分の知恵をひけらかすな  徒然草167

文字数 845文字

□一つの専門に携わる人、他の専門の場面に出会うことがあったとき「私の専門のことであるならば、このように傍観することがないだろうに」と言い心に思うことは、いつもあることだが、実に好ましくない傾向である。知らない専門が羨ましいと思うならば「ああ、羨ましい。何故習わなかったのだろう」と言えばよいのだ。自分の知恵を取り出して人と争うのは、角がある物が角を傾け、牙ある物が牙を剥き出す類である。
人として善を誇らず物と争わざるを徳とすべきである。他の人より優ることがあるのは大きな損失なのだ。品があるとか、才能が優れているにしても先祖の誉でも、人より優れりと思う人は、たとえ言葉に出て言わないにしても、内心に咎められるべき罪がある。謹んでこれらを忘れるべきである。
驕るように見え、人から非難されたり、禍を招くのは、この慢心からくるのである。一つの専門の道に通じる人は、自らその非を知っている故に志が常に満足することが無く、ついに物を誇ったりしないものなのだ。
※道を究める専門家は、最高の域に達している程、まだ自分が知らないことがあると謙虚におもうのでしょう。名人、達人の域に達することがものすごく難しい。日頃の切磋琢磨、探求心は普通の人が考えないくらいに、奥が深いのでしょう。また才能もあるのでしょう。オリンピックで
ゴールドメダルを取る人もその道の最高峰の専門家でしょう。そこに達するには、才能と人知れぬ努力と集中する心などが、ある期間に集中して行なうのでしょう。勝負事は結果がそのままつながることはないこともある。知識の場合も結果に繋がらないこともあるでしょう。
自意識過剰にならず、天狗にならず謙虚に物事に人に対応する心構えが必要なのでしょう。ちょっとした成果が出た時、自慢したくなるのはもってのほかなのです。上には上が居るのです。すべてのことを知っているのは神様以外にはいないのです。これだけが正しいと言うのも慢心です。
つまらぬことで自慢するなということでしょうかね。
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