第165話 筑紫の国の大根 徒然草68
文字数 441文字
□筑紫の国に地方警察のような押領使というような者がいたが、土大根を万事に効能ある薬といって、朝毎に二本づつ焼いて食べることが、年久しく続いていた。ある時、館の内の人がいなかった隙をついて、敵が襲来し包囲して攻撃してきたのであるが、館の内に用兵が二人出て来て、命を惜しまず戦い、皆追い返してしまった。非常に不思議に覚えて、「日頃ここにいらっしゃると思えぬ人々が、このように戦闘して頂くとは、どのようなお方なのだろうか」と問い掛けると、「毎年、頼りにしてもらっている、朝な朝なの土大根どもでございます」と言って消え失せてしまった。深く信じる気持ちを捧げていれば、このような御利益があったに違いない。
※イワシの頭も信心次第ではないけれど、常日ごろ、大切に思っていることを信じて続けていると、思わぬところでその効能が現れ、助けてもらうことがあるという話でしょう。なかなか遠い九州のことを兼好先生も耳にされ、徒然なるままに書かれたのでしょう。これもエッセーの面白い所なのでありましょうか。
※イワシの頭も信心次第ではないけれど、常日ごろ、大切に思っていることを信じて続けていると、思わぬところでその効能が現れ、助けてもらうことがあるという話でしょう。なかなか遠い九州のことを兼好先生も耳にされ、徒然なるままに書かれたのでしょう。これもエッセーの面白い所なのでありましょうか。