第63話 酒の良い点 徒然草175-4捨てがたき機会

文字数 487文字

□このようにうとましいと思うものであるが、おのずから捨てがたき機会もあるものである。
月の夜、雪の朝、花の元にても、心のどかに物語などして、盃を出していろいろな興を添える行為でもある。つれずれなる日、思いの外に友がやって来て、とりおこなうのも、心慰められる。
付き合いのない高貴な方から、お果物・お酒など、気品ある様子で差しだされるなどは、とても気持ちがよい。旅の仮屋、野山などにて、「御肴に何かな」など言い、芝の上にて飲みたるも、いと良し。嫌がる人が、強いられて少しだけ飲むのも、いとよし。高貴な方が、特別に「今ひとつ。盃が減っていないよ」など宣われるのも嬉しい。お近付きになりたい人が、上戸で、すっかり打ち解けてもらうのも、また嬉しい。
※酒癖の悪いのを並べたてられたが、やはり酒の魅力も大いにある。月の夜は飲まないし、雪の日もそれを見ながら飲むことはない。花の下でもゴザ敷いて飲むことも少ない。居酒屋とかレストランで快適に飲むことが多い。この場面は、チョッと時代の違いを感じますね。昔は風流を好まれていたのでしょうが、今は楽しみ方が 変化しているのですかね。
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