第218話 賀茂祭の警護係 徒然草221

文字数 383文字

□「建治・弘安の頃は、加茂祭りの日の検非違使庁の下僕で、祭の警護にあたっていた放免という者達が身に附ける物に、風変わりな紺の布四、五反で馬を作って、尾や髪には燈心を用い、蜘蛛の巣の網目を描いた水干という狩衣を簡略にした衣服に付けて、歌の心だなどと言い回っていることを、常に見ておりましたが、面白くてよくぞやってくれたという心地がしたものです」と、老いたる検非違使の道志が、今も語りぐさとしていました。このごろは、身に附ける物が、年々ことのほか派手で贅沢になり、あらゆる重い物を身に付けた為、左右の袖を人に持たせ、自分は鉾すら持てず、息使いも荒く苦しむ有様は、まことに見苦しみっともない。
※5月葵祭の行列に、護衛でつく検非違使の下部の者が、簡略な狩衣に飾をぶら下げ、年々重くて派手なものをぶら下げるようになり、護衛の鉾も持てない有様。本末転倒で見苦しいのでしょう。
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