第231話 問われた時 徒然草234

文字数 630文字

□人から、物を問われた時に、知らないことでもないし、ありのままに言うのはばかばかしと思うのか、心を惑わすようなことを返事するのは、よくないことである。知っていることも、なほ確かなことを知りたいと思って質問されているのかもしれない。 また本当に知らない人も、いるかもしれない。朗かに言い聞かせてやるならば、おだやかに聞こえるでしょう。人がいまだ聞き及ばぬことを、我が知りたるままに、「それにしても、あの人のことでは、ただただ驚くばかりだ」などとだけ言ってやると、「いかなることがあったのだろう」と、問い返すのは、、気に食わないものだ。世の中で言い古したことでも、たまには聞き漏らすこともあるので、はっきりと告げてやることは、不都合なことはないだろう。このようなことは、世間馴れしない人によくあることである。
※人の持つ知識は人によって、夫々違う。物を尋ねられたときの対応の仕方を先生は述べられている。自分が知っていることであれば、難しく言わないで、易しく話してやる。易しいことは難しくはなしてやる。これは井上ひさしさんが言っていたらしい。心すべきことかももしれない。
他人がまだ知らないこと、言い古されたことで無知な人には、ハッキリ教えてやるのも必要である。今の時代のように、スマホを開けば情報が氾濫し、誰でも共有する時代では、自分が知っていると話していて誰もそんなことは、疾うに知っていたことが多く、がっかりすることが多い。黙っている方がいいのかもしれない。
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