第185話 小野道風は書家 徒然草88

文字数 398文字

□ある人が、小野道風が書き写した和漢朗詠集だといって持っていたのを、ある人、「御先祖から受継いだものは、いい加減な物ではないでしょうが、四条大納言が編集されたる物を、道風が書き写すことは、時代が違うのではないでしょうか。その点が気懸かりですね」と言ったので、「そうだからこそ、世に珍しい物であるのですよ」とて、いよいよ秘蔵したという。
※小野道風は書道の神様と言われた。作品は、雄渾豊麗、温雅で優れ、草書は爽快で絶妙を極め、その筆跡を「野跡」という。醍醐天皇は深くその書を愛好された。894年生まれで967年没した。四条大納言の藤原公任は漢詩、漢文、和歌を集め和漢朗詠集を編集した。966年生まれで1041年没した。編集した後に、道風が書写するのが普通だが、逆になるのはおかしいという。だから希少価値があると主張する。偽物を大金で買って大事にしている人は多い。お宝探偵団ではざらにあることです。
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