第191話 勅書の渡し方に難癖 徒然草94

文字数 392文字

□京都の常盤井に館のあった西園寺実氏相国が、出仕しなさったところに、上皇の勅書を持った北面が相国に会い奉ったので、馬より下りたのを、相国は、後に、「北面某は、上皇の勅書を持ちながら下馬した者である、このような者が、どうしてわが君にお仕え候ふべきだろうか」と申されければ、上皇は北面を追放されにけり。勅書を馬の上から捧げて見せ奉るべきである、下りるべからずということである。
※当時権勢を誇っていた西園寺相国が、細かい仕来りがあったのだろう北面の武士の配達員が天皇の勅書を馬から降りて渡した。西園寺は位の高い人であったので、北面は馬上からは失礼と思い下馬して、書面を渡したのだろう。西園寺はこの北面を嫌いだったのではないだろうか。仕来りどおりにやってないと天皇に告げ口し、首にさせた。これだけに留まらず権力を持った者は、自己本位に考え行動する傾向があると、指摘されているのでしょうか。
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