第79話 女性観 徒然草190

文字数 854文字

□妻というものこそ、男の持つまじきものなれ。「いつも一人住みにて」など聞くこそ、奥ゆかしい事である。「誰がしの婿になった」とも、また「このような女を取り据えて、一緒に住む」など聞きつれば、まことにがっかりさせられる。なんていうこともない女を素晴らしき連れ合いと思い込み、連れ添ったのだろうと、醜い欲望がむき出しな奴だと推量されるし、いい女ならば、この男ぶりにほれ込み、「わが仏」と守り仕え奉っている。まあ、その程度のことだと思われてしまう。ましてや、家の中を取り納めているような女は残念でしゃくに障る。子などが出来て、大切に養い育てるなどは、心が思い悩む。男亡くなりた後、尼になり年寄りになる有様は、亡き跡まで見苦しい。いかなる女なりとも、明け暮れ添い見ると、いと気詰まりになって、憎たらしくなるだろう。女のためにも中途半端であり、他所にいて時折、通い住むことこそ、年月を経ても絶えることもない間柄でいるだろう。突然急にやってきて、泊まるなどするのは、心惹かれ新鮮に感じられるに違いない。
※兼好先生の女性観が如実に書かれており、現在であれば女性の敵とみなされ非難轟轟であろう。生活費をどうしてくれるんだ男は稼ぎ女は育児、家事をする。これもかつての夫婦関係であったあったが今は、男女同権。なかなか考え方が難しくなっている。いっそ結婚しないで一生を終わろうと考えている若者が、やたら多くなったご時世である。結婚は悪ことなのか?そうじゃないと思う。結婚は大変なこともあるが、お互いを助け合い、愛し合うことは、長い年月の結婚生活で作り上げるものだと思う。自分だけを主張していては、続かない。お互い片目をつぶり、欠点は見ない。良い点は目を大きく開け褒める。結婚式の時、伯父さんが祝辞で言ってくれた言葉である。守り続けて48年が経った。終の棲家で仲良く、口喧嘩もしながら過ごしている。まさにベターハーフの関係がいいのではないでしょうか。女性は可愛いところがあるほうが、魅力があると思うのだが。どうなんでしょうか。
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