第28話 人の終焉  143

文字数 480文字

□人の終焉の有様がとても見事だったと、人が語るのを聞くにつけ、ただ「静かで取り乱すこともなく」と言ってくれれば憎らしいほど優れているのに、愚かな人は普段と違い異様な感じの様子を語り、最期の言葉や振る舞いも、自分の好みで誉めそやすことは、故人の 日頃の本意ではないのではないかと思われる。
※母は臨終にあたりクモ膜下出血で畑で突然倒れ、最期の言葉を発することなくこの世を去った。
父は96歳でなくなった、内臓が破裂し救急車で運ばれ、大手術をし生き延びた。喉の切開手術が必要となり、声を出せなくなった。目だけで苦しいと訴えかけていたのを覚えている。死にざまがどうだったとかいう話は余り聞いたことが無い。元気でぽっくりとあの世へいくのがいいような気がする。
□この臨終の大事は、高貴な人もハッキリ決めることもできない。博学の士でも推測することができない。己の信念に違わねば良し、人の見聞によるべきではない。
※己の信念といっても、臨時の大事なときは、きてみなければ、なんとも言えない。自ら命を絶つ必要はない。いずれにしても、いつかは神様からお召がかかる。
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