第238話 恋愛 徒然草240

文字数 883文字

□忍んで相手と逢うのも人目が気になり、暗いところで逢うのも見守る人が多いだろうと、無理やり通って逢おうとする色恋こそ、深く感動的だと思う場合があり、忘れがたいことも多いことだろう。親兄弟に許されて、思うままに迎え据えられたのならば、大層気恥ずかしいこともあるだろう。世間では貧しい女が、似つかわしくない老法師や、身分の低い吾妻人であろうとも富裕さにひかれて、「お誘いがあるならば」などと言うのを、仲人が、双方ともお似合いですと言ったりして、よく知らない人を迎え入れるのはつまらないことだ。 どんな事を喋ればいいのだろうか。長年の辛かったことを「分け来る葉山の」などの恋の和歌をたとえてお互い語り合ってこそ、尽きない話題の言葉があるだろうに。すべて、他人のお見合いを取り扱うのは、いやな面白くもないことが、多いに違いない。いい女だなと思っても、賤しく、風采あがらぬ年も取った男は、こんな身分の低い男に、あたら身を無駄になさることだと、劣等感を感じ、我が身が女と
向いあっても、自分の姿が恥づかしく覚えることだろう。とてもつまらないことだろう。梅の花香る夜の朧月に佇んで、御垣が原の露を分け出でてきた有明の空も、我が身に置き換えて偲ぶことも出来ない人は、ただ、色恋などを好まないほうが賢明であろう。
※恋愛の達人だったのだろうか兼好先生は。男女の出会いはなかなか直ぐに思うようにはならないものではないのでしょうか。誰かの紹介でお互い直感が働き、交際し結婚へ結びつくのが多いのでは。無理矢理片思いしても、相手に通じないことも多い。蓼食う虫も好き好きということがあるように、絶対の男女関係はない。神様ではなく、我が儘な人間同士が家庭を持つのだから
互いに譲るべきは譲る、主張は主張する。喧嘩しながら、和解し、いつの間にか長い年月が経っていたというのが多いのでしょう。大恋愛しても、長続きするかどうか分からないと思う。経験ないから分かりませんが。平凡な生活が続き、時には波乱があり時には楽しみがあり。年を取っていく。恋愛なんていうのは、若いときだけのことじゃないでしょうか。
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